最終面談レポート:ぬQ

11月25日(火)に実施された最終面談のやりとりの様子をレポートしてお伝えします。

 
 
第4回目はぬQさん。
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ぬQさんは、人間の生命の輝きを3秒に圧縮したものを、3分にクローズアップしたというアニメーション作品『サイシュ〜ワ』を制作します。 ぬQさんのアドバイザーを担当するのは、マンガ家のタナカカツキ氏とアニメーション作家の野村辰寿氏です。
 
 
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『サイシュ〜ワ』につながる、ふたつのクライアントワーク

 

― 前回の面談でひとつのトピックとなったクライアントワークについて。今回は、完成したというクライアントワークの報告からスタートしました。
 
ぬQ 以前お話ししたクライアントワークが2作品、9月末と10月中旬に完成しました。『サイシュ〜ワ』でももちろん京都での制作のことが反映されますが、今回制作したクライアントワークでも反映されています。
『ニュ〜東京音頭』では2年間かけて1本を制作したのに対して、今回は3ヶ月半の期間で2本作りました。加えて『サイシュ〜ワ』の制作もしていたので、本当にヘロヘロになってしまって……。ちょっと頑張りすぎて体調が悪くなってしまったので、しばらく休ませていただきました。ですが、このクライアントワークで『サイシュ〜ワ』がどのような作品になるか勉強になる部分も多かったです。

では、クライアントワークをご紹介します。まずは、「Red Bull Music Academy」のスポットCMです。
 

Red Bull Music Academy Tokyo 2014 Quote – ヨシホリカワ / Yosi Horikawa

 

ぬQ この映像は、渋谷の街頭ビジョンなどでも放映されることになっていたので、縦構図や横構図など、どこでトリミングしてもいいように、今までに描いたことのない大きなサイズで作りました。しかも、常に映像のコアが画面の中心にないといけないなど、思っていたよりも制約が多かったです。

野村辰寿(以下野村) 映像の中のメッセージにある「でもやめない。続けていれば必ず何か見つけられるから。」っていう部分は、まるでぬQの為にある言葉のようだね。

ぬQ はい。今の自分とすごくシンクロするようなメッセージだと感じました。次にお見せするクライアントワークは、チャットモンチーのPV『こころとあたま』です。

 

チャットモンチー 『こころとあたま』

 
野村 『こころとあたま』っていうのも、ぬQにちょうどいいタイトルですよね。

ぬQ はい。頭ではやらなくてはいけないのが十二分にわかっていても、体と離れてしまうとダメなんだなと実感しました。

野村辰寿(以下野村) 「Red Bull Music Academy」といい、チャットモンチーのPVといい、自分自身が不思議な形で投影されていますね。

 
 

『こころとあたま』から『サイシュ〜ワ』へ

 
― 『こころとあたま』は、『サイシュ〜ワ』へとつながる作品です。ここから中間面談でも話題になった「アニメーションと立体の合成」について話が進みます。
 
ぬQ 『サイシュ〜ワ』で課題なのは、彫刻家の友人に作ってもらった立体を映像に合成することについてです。私のアニメーションは、形が伸びたりするのがいいところなのに、実物の立体を入れてしまったら魅力がかき消されてしまうのではないかとも思います。『こころとあたま』は立体の力を借りたからこそ3分半の映像を作ることができたので、満足はしているのですが、作品の純度が下がってしまうとも思いました。ただ、立体を撮影した映像を改めて見ると、自分では描くことのできない本物の陰影を感じて捨てがたいと思ったので、立体は大事なところで一瞬だけ出して、すぐに自分のアニメーションに戻るというのが一番いいバランスだと思いました。

野村 自分がドローイングするためのガイドではなくて、一瞬だけれども撮影素材が出てくるという考え方ですよね。それはぬQの考えなの? 立体物を映像の中に取り込んでいくというのは、作品を完成させる手段としての立体なのか、それとも作品に新しいテイストを加えるという目的としての立体なのか?

ぬQ それは新しいテイストのためですね。時間がかかってもいいから、描けるところは立体物をガイドにしないで自分で描いた方がいいと思っています。
 
 

作品の純度を追求する

 

野村 先日、ぬQに音楽をやっている人を紹介して打ち合わせをしたんです。最初は既存の楽曲を使おうという話だったんだけど、そのうちにぬQが作詞して歌うと面白いかなという話になっていきました。そういう方法で、少しでも純度を上げていった方がいいかなと(笑)。

タナカカツキ(以下カツキ) 純度は上げた方がいいですね。

野村 立体の話に戻りますが、立体を一瞬だけ見せることに、はたして意味があるのかなと思っています。それだったら全てをドローイングのテイストに仕上げる方が純度が上がる気がするんです。最終的な作品になった時、どちらの方が見る人に届くかという判断が必要だよね。

ぬQ そうですね。2012年に『ニュ〜東京音頭』を発表して以降、とくに目立った作品を発表していないことが恥ずかしくて悔しかったので、早く『サイシュ〜ワ』を作りたいと思っていたんです。作品として、一番いい形に方法を決めたいと思います。

野村 それがいいと思います。ここまでやってきて中途半端にしてもしょうがないから。もちろん成果プレゼンテーションはあるけれど、プレゼンでは真摯に制作をしてきたことをプレゼンテーションすればいいと思います。

 
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成果プレゼンテーションから作品の完成まで

 

野村 しばらくお休みもしたし、ここから再始動ってことですかね。

ぬQ お休みをいただいたおかげで元気になりました。『サイシュ〜ワ』を作る上での疑問も、クライアントワークを作ることでクリアになりました。

カツキ この後は、作品の完成に向けて制作していきますよね。他になにか悩みはありますか?

ぬQ 問題なのは立体の部分のみです。『こころとあたま』も『サイシュ〜ワ』も、骨格は最初から変わっていないので、やはり立体を入れるかどうかだけですね。『ニュ〜東京音頭』の制作に2年かかったことがありましたが、他の人の力を借りて2ヶ月半で2本の作品を完成できたというのが、とても自信になりました。

野村 このペースだと作品の完成予定はいつ頃ですか?

ぬQ 『こころとあたま』を2014年の1本としていて、『サイシュ〜ワ』を2015年の1本にしたいと思っています。成果プレゼンテーションの時は制作途中なので、予告編を作って上映する予定です。1分程度はお見せしたいと思っています。

カツキ ほかにもいろいろ見せたほうが面白いと思うんですよね。場所を変えて制作環境に刺激を与えることや、しばらく休んだということも面白いじゃないですか。そういったものを、写真かなにかを交えてお話できるといいですね。成果プレゼンテーションには作ることに興味がある人がたくさん来ると思うので。

ぬQ そうですね。作っている間の副産物も非常に多いですし、その副産物の結果が作品に出ているので、そこをお伝えできるといいですね。あとは、『ニュ〜東京音頭』『こころとあたま』『サイシュ〜ワ』それぞれの作品の相関関係についてもお話したいと思っています。

 
― 休息期間を経て、制作意欲が沸々とわいてきたというぬQさん。成果プレゼンテーションでいよいよ『サイシュ〜ワ』の予告編が発表されます。
 
 
 
次回は三原聡一郎さんの最終面談の様子をお届けします。

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