【第1回活動レポート③】河野 亜季『伝統を継承する影絵アニメーション』

kono2

「メディア芸術クリエイター育成支援事業」では、平成24年5月18日から31日の募集期間に応募のあったアート/アニメーション/マンガ/ゲーム等の新作の企画の中から、企画を決定しました。企画が選択されたクリエイターの今後の創作活動について、アドバイザーとの初回の打合せが実施されました。

クリエイターの河野さん(左)、アドバイザ-のタナカカツキ氏(中央)、伊藤有壱氏(右)

昨年度[第15回]アニメーション部門で審査委員会推薦作品に選出された河野亜季さんは、今回『伝統を継承する影絵アニメーション(仮)』という短編作品の制作に取り組みます。初回面談にはアニメーションディレクターの伊藤有壱氏と、マンガ家のタナカカツキ氏が参加しました。

京うちわ老舗・阿以波(あいば)とのコラボレーションという形で既に作品の制作を進めている河野さんは、作品の題材に選んだ京都を舞台とする「源氏物語」の世界の背景として伝統工芸である京うちわのデザインを使用します。この背景とこれまで自身が手掛けてきた影絵アニメーションの技法を融合させ、登場人物の心情のうつろいや人生の機微を作品の中で表現しようとしています。

初めに、この作品のパイロット版が発表された「うごきだす阿以波団扇」展(京都・ギャラリーSHINA 5/17-6/3)での展示方法が話し合われました。この展示では、通常のスクリーンやディスプレイでなく、スクリーンの替わりに8枚の白いうちわが壁面に設置され、アニメーションが投影されました。2月の成果発表を見据えて、引き続きうちわをスクリーンとして展示するという方法をこれからの制作の中で発展させていくか、もしくは通常のスクリーンで上映する映像作品として新たな仕掛けを見せられないか、という2つの方向性について議論されました。

また、今後の制作にあたってアドバイザーから指南がありました。クリエイターの用いる影絵という技法と今回の作品で扱うモチーフとのつながりを掘り下げ、日本が受け継ぐ美の様式を新たな創造物として包括していこうとする意識の重要性や、海外のオーディエンスも視野に入れた作品作りすることの大切さ、また制作過程を記録し、プロジェクト全体をアーカイブとして残すことの有効性などが挙げられました。日本文化の新たな発信に挑む新進クリエイターとして、積極的に自分の作品の可能性を広げていってほしいという期待が寄せられた面談となりました。次回は成果発表の方向性を中心に、アドバイザーからのいくつかの指摘に関して 引き続き話し合われます。

 

〈第1回活動レポート〉

大西 康明 『現象を制御する仕組みによるインスタレーションの制作』
樫田 壮一 『餅つき』
河野 亜季 『伝統を継承する影絵アニメーション』
榊原 澄人 『Requiem Zarathustra』
SHIMURAbro 『映画なしの映画』

Authors

Top