【クリエイターレポート】河野 亜季『伝統を継承する影絵アニメーション』

図3

「メディア芸術クリエイター育成支援事業」では、選考された企画の制作が進行しています。7月に行われた初回の面談以降の進捗をクリエイターによるレポートでご紹介します。

 

前回のミーティングでは、展示方法について議論されました。今回の作品ではその議論を踏まえて既に展示、発表しているうちわスクリーンから派生したインスタレーションの方法で制作することとし、まずは新たなスクリーンの構想から実験を繰り返し制作に入っているところです。

アニメーションの内容が源氏物語ということでスクリーンを絵巻物に見立てた展示を構想中です。スクリーン部分は3層構造になっており、阿以波(あいば)の透かしうちわの特性を生かす為、一枚目はうちわの美しい放射状の骨組みを意識し、アクリルの角棒を放射状に配列しています(図1、8分の1サイズの模型)。3枚目は黒色のフィルターを使用します。

図1、8分の1サイズのスクリーン模型

 

2、3枚目のスクリーンイメージ

 

また、阿以波とのコラボレーションにあたって16枚のオリジナルうちわ制作を依頼中です。15枚のうちわは一色のシンプルなデザインとなり横一列に配列することで2枚目のスクリーンとなります(図2、構想イメージ図)。

図2、構想イメージ図

 

そこで映像を投影し裏側(3枚目)から見ると、影絵が浮かび上がる構想となっています(図3、テスト投影)。

図3、テスト投影

 

この”影絵”とは横一列に並んだうちわがつくるもので、源氏絵巻によく見られる”ある形”になるように設計しています。
また、もう一枚のオリジナルうちわは今回制作する物語の内容と合わせ女郎蜘蛛のデザインのうちわを制作していただいています(図4、構想イメージ図)。

図4、構想イメージ図

 

こちらのうちわについては金や蒔絵、漆を使用した伝統工芸の技術が光る繊細なうちわになる予定です。
アニメーションは引き続き源氏物語、葵の巻から、再構成し制作中で半立体を用いた影絵アニメーションとなる予定です。

 

投影イメージ

 

 

〈クリエイターレポート〉

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