平成29年度 選考結果発表

「平成29年度メディア芸術クリエイター育成支援事業」では、6月5日から6月26日の募集期間に集まった応募企画の中から、選考を経て計6件の企画が採択されました。今後、具体的な支援が始まり、その進捗状況は定期的に本ウェブサイトでご紹介していきます。また、採択された企画の「成果プレゼンテーション」を2018年3月に開催予定です。

採択企画一覧


『Rediscovery of anima』(仮)

(アートプロジェクト)

後藤 映則

企画について:
静止していたものが動いて見えたとき、なにか魂のようなものが宿ったような生命感を感じる。ソーマトロープといった初期の映像装置から、偉大な先人たちは連続して変化する静止画像を高速に切り替えることで動いて見える方法を発明し、多種多様な生命感を生み出した。今回の企画では先人たちに未だ試されていない動画を生成する方法で、もうひとつの動画としての可能性とそこから生まれる生命感を探る。

後藤 映則(GOTO Akinori)
1984年、岐阜県生まれ。武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科卒業。先端のテクノロジーと古くから存在する手法やメディアを組み合わせて、目に見えない繋がりや関係性を捉えた作品を展開中。代表作に時間の彫刻『toki -』シリーズ。主な展示会にArs Electronica Export(ドイツ)やSXSW ART PROGRAM(アメリカ)など。国立メディア博物館(イギリス)にてパブリックコレクションとして自作が収蔵されている。
http://akinorigoto.tumblr.com

文化庁メディア芸術祭での受賞・選出歴:
第20回アート部門審査委員会推薦作品『toki -』

『短編CGアニメーション作品の制作』
(作品タイトル未定)

(アニメーション)

澤村 ちひろ

企画について:
3DCGを使用した短編アニメーション作品の制作。少女と街と鳥のお話。
国産アニメの技術と様式を用いて、アニメーションとしての美的・造形的価値を追求する。
雨上がり、ひとり遊んでいた少女が空に見たものとは…? 作品尺は2~3分を予定。

澤村 ちひろ (SAWAMURA Chihiro)
静岡県生まれ。CGアニメーター。岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー卒業。
学生の頃よりツールに捕らわれない自由な手法と発想でアニメーションやインスタレーションなど、主に制作者と鑑賞者、空想と実体、虚無と現実などの相関する空間を多層(レイヤー)に重ね、
そこに見る時間と感情の流れを追う作品を制作している。

文化庁メディア芸術祭での受賞・選出歴:
第16回アート部門審査委員会推薦作品『Immersive Room』

『Double Half Step』(仮)

(実験、インスタレーション、パフォーマンス)

津田 道子

企画について:
複数のスクリーンによる映像インスタレーションとパフォーマンス。
再生する映像の順番が、鑑賞者が移動する方向などによって変化し、それにしたがって少し異なる出来事や体験が立ち上がる。
二つのスクリーンを向かい合わせ、横並び、上下に配置するなどいくつかの空間的にシンプルな設定や、音声や物といったスクリーン外の要素の実験を重ねて、映像特有の物事の語り方をする空間を目指す。


Photo: Kazuyuki Matsumoto

津田 道子(TSUDA Michiko)
映像の特性にもとづいた制作を主軸に置き、パフォーマーとの共同作業などを通した、映像、インスタレーション、パフォーマンス作品を制作している。主な個展に「The Day After Yesterday」(TARO NASU、2015)、「Observing Forest」(zarya cca、ウラジオストク、2017)グループ展に「OPEN SPACE 2016: MEDIA CONSCIOUS」(ICC、2016)など。博士(映像メディア学)。
http://2da.jp

文化庁メディア芸術祭での受賞・選出歴:
第20回アート部門新人賞『あなたは、翌日私に会いにそこに戻ってくるでしょう。』

『Rekion Voice』

(アートプロジェクト)

ノガミ カツキ+渡井 大己

企画について:
私達の周りにいるロボットは、まるで友達のように可愛くデザインされている。しかし、これらを生き物として見るならば、私たちの命令で制御され支配されているいわば「奴隷」のようなものだ。犬のように鎖で繋ぎ、鳥のように鳥籠に入れ、ロボットが支配されている様を表出させる。デザインによって隠された人工物である機械と私たちの関係を再認識させる作品であると同時に、不必要な倫理的議論を排除する試み。

ノガミ カツキ (NOGAMI Katsuki)
1992年、新潟県生まれ。コンテンポラリー・メディアアーティスト。武蔵野美術大学卒業。武蔵野美術大学在学中にベルリン芸術大学との交換留学でオラファー・エリアソンに師事。文化庁メディア芸術祭、PrixArsElectronica、学生CGコンテスト、ifva、アジアデジタルアート大賞など多くの国際的フェスティバルで受賞。FILEやWRO、Scopitone等の国際的メディアアートフェスティバルにも多く参加している。
http://katsukinogami.com

文化庁メディア芸術祭での受賞・選出歴:
第19回エンターテインメント部門新人賞『group_inou「EYE」』(橋本 麦/ノガミ カツキ)
渡井 大己 (WATAI Taiki)
1985年、静岡県生まれ。インタラクション・デザイナー、メディアアーティスト。早稲田大学商学部卒業、早稲田大学大学院文学研究科表象メディア論コース修了。在学中は、メディア論・インタラクション研究に従事する一方、アート作品の制作、群知能ロボット開発を行う。現在は広告やイベント等のテクニカル演出、インスタレーション制作を手がける。第18回学生CGコンテスト審査員賞、第18回文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品選出。PrixArsElectronica 2017にてHonorary Mention選出。

文化庁メディア芸術祭での受賞・選出歴:
第18回エンターテインメント部門審査員推薦作品『妄想と現実を代替するシステムSR×SI』(市原 えつこ/渡井 大己/藤井 直敬/脇坂 崇平)

『鑑賞者をつくる』(仮)

(アートプロジェクト)

やんツー

企画について:
マルセル・デュシャンは「みるものが芸術をつくる」と言い、作品は鑑賞されてはじめて芸術として成立すると芸術を規定した。これまで私は継続的に、表現する主体としてのドローイング装置を制作してきたが、本プロジェクトではそれを補う存在、鑑賞者として自律的に振る舞う様々な物を制作する。果たして人間以外の主体による芸術は成立し得るのか。あらゆる物が他者として扱われる21世紀的表現を考察する。

やんツー (yang02)
1984年、神奈川県生まれ。2009年多摩美術大学大学院デザイン専攻情報デザイン研究領域修了。デジタルメディアを基盤に公共圏における表現にインスパイアされた作品や、行為の主体を自律型装置や外的要因に委ねた作品を多く制作する。2013年、文化庁在外研修生として渡欧し翌年帰国以降、東京と京都を拠点に活動。近年の主な展覧会に札幌国際芸術祭2014、あいちトリエンナーレ2016などがある。
http://yang02.com

文化庁メディア芸術祭での受賞・選出歴:
第13回アート部門審査委員会推薦作品『Urbanized Typeface』
第15回アート部門新人賞『SENSELESS DRAWING BOT』(菅野 創/山口 崇洋)
第20回アート部門審査委員会推薦作品『形骸化する言語』(菅野 創/やんツー)


『いきものさん』(仮)

(アニメーション、ゲーム)

和田 淳

企画について:
映像とゲームで展開する複合型アニメーションプロジェクト。ゲーム開発用ソフト「Unity」を使うことにより、アニメーション作品(短編・シリーズ)の制作方法において新しいチャレンジをしながら、同時にゲームアプリとしての展開も探り、2つぞれぞれの形態で発表しようという試み。

和田 淳 (WADA Atsushi)
1980年、兵庫県生まれ。大阪教育大学、イメージフォーラム付属映像研究所、東京藝術大学大学院で映像を学ぶ。2002年頃からアニメーションを制作しはじめ、「間」と「気持ちいい動き」を大きなテーマに制作を続けている。『グレートラビット』(2012)がベルリン国際映画祭短編部門で銀熊賞など国内外で受賞。現在、大手前大学准教授。大阪教育大学、京都精華大学非常勤講師。
http://kankaku.jp

文化庁メディア芸術祭での受賞・選出歴:
第8回アート部門審査委員会推薦作品『蠕虫舞手』
第14回アニメーション部門優秀賞『わからないブタ』
第16回アニメーション部門優秀賞『グレートラビット』
第17回アニメーション部門審査委員会推薦作品『Anomalies

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