成果プレゼンテーション報告② – クリエイターによるプレゼンテーション

まだ前日の雪が残る2月9日、東京ミッドタウン内にあるインターナショナル・デザイン・リエゾンセンターで、本年度の成果プレゼテーションが実施されました。足元の悪い中お集まりいただいた40名を超える参加者の前で、クリエイター5組とアドバイザー4名が一堂に介し、各クリエイターから支援企画の詳細と、その制作過程の紹介がありました。 以下、その様子をプレゼンテーション順にご紹介します。(①、②)また、プレゼンテーション後に行われたアドバイザーによるディスカッションにおけるコメントも掲載します。(③)
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クリエイターによるプレゼンテーション(後半)

④  スプツニ子!『ムーンウォーク☆マシン、セレナの一歩』

スプツニ子!さんは、ボストンからスカイプでの参加となりました。会場でプレゼンテーションを行ったのは、ムーンウォーク☆マシンを開発した川本尚毅さんです。

会場では、ローバーのデモンストレーションが行われました。

今回スプツニ子!さんが支援を受けたのは、特別な月面ローバーを開発し、そのローバーでハイヒールの足跡を月面に残すというプロジェクトです。まず、スプツニ子!さんから、『ムーンウォーク☆マシン、セレナの一歩』の制作経緯が説明されました。NASA関係の団体 であるUniversities Space Research Associationの協力を受けながらプロジェクトが進行した様子や川本さんとの共同開発の様子の紹介があり、月面ローバーを開発する女の子のストーリーを描いたミュージックビデオも披露されました。関連して、その映像内に登場する女の子には、カルフォルニアに実際のモデルがいることや、アマチュアの科学者が活躍してきている昨今の現状を織り交ぜてビデオの展開を構成したことが紹介されました。次に、川本さんから月面ローバーの技術面について、NASAにアドバイスを受けながら、重力の違う月面に女の子の足跡をつけるための機構で試行錯誤した課程が説明された後、ローバーの実演が行われました。

アドバイザーの三上氏からは、東京都現代美術館の「うさぎスマッシュ」展で展示されていた『ムーンウォーク☆マシン、セレナの一歩』のインスタレーションについて、映像が興味深く、作りこまれていたが、会場に展示されたローバーが実際には動いていなかったことが残念だったと指摘され、今回の成果プレゼンテーションでは、実際に動くローバーを紹介することになった面談中の経緯が説明されました。そして、スプツニ子さんのアイディアは、小学生や中学生の女の子にアート&サイエンスが面白いなと思ってもらえるような、夢を与えることのできるものであり、また実際に観客の目の前で動くローバーを見て、プロジェクトとしての今後の展開に大いに期待が持てるということでした。

⑤  小松宏誠『Lifelog_グライダー』

小松さんからはまず、『Air’s song』『Lifelog_chandelier』などの過去の作品を参照しながら、鳥と羽をテーマに制作してきた経緯が説明されました。今回、支援を受けた作品『Lifelog_グライダー』は、羽で作られたオブジェがファンによって浮遊する、小松さんの過去の作品『Secret Garden』が元になっています。さらに今回は浮遊するオブジェをもっと自由に、まるで踊るように浮遊させ続けたいという動機から制作を行ったそうです。その実現には、オブジェ自体を浮遊させながらも変形させる必要があるため、太陽電池とモーターや、温度によって変形するバイオメタルを用い、様々な試行錯誤を行ったと説明がありました。しかし、太陽電池では電力を安定供給できないこと、バイオメタルでは反応速度に問題があることなどの理由で、いずれも採用できませんでした。そこで、大型のファンを用いて、浮遊するオブジェを巨大化させる方向に切り替え、最終的に、浮遊するオブジェを大型化し、うねる大きくしなやかな羽根と、バランスを制御する小さい羽根を組み合わせた構造にする事で、イレギュラーな動きで浮遊させ続ける事を実現しました。完成した作品は2月、「Media Ambition Tokyo 2014 INTERSECT BY LEXUS」で展示が行われました。

アドバイザーのタナカ氏は、自身もブレイクダンスをしていたという経験から、小松さんがブレイクダンスを制作の参考にしていた点に共感した、とのこと。三上さんからは、作者が試行錯誤しながら展示場所にいなくても成立するシステムを作り上げて行く課程を知ることが出来、また実際に展覧会形式で展示できたことが、非常に良かったというコメントがありました。今後も、浮遊するオブジェに関しては他の追随を許さないような作品を制作し続けていって欲しいということでした。

成果プレゼンテーション報告は、「アドバイザーによるディスカッション」に続きます。

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成果プレゼンテーション報告① – クリエイターによるプレゼンテーション(前半)
成果プレゼンテーション報告③ – アドバイザーによるディスカッション

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