成果プレゼンテーション報告③ – アドバイザーによるディスカッション

まだ前日の雪が残る2月9日、東京ミッドタウン内にあるインターナショナル・デザイン・リエゾンセンターで、本年度の成果プレゼテーションが実施されました。足元の悪い中お集まりいただいた40名を超える参加者の前で、クリエイター5組とアドバイザー4名が一堂に介し、各クリエイターから支援企画の詳細と、その制作過程の紹介がありました。 以下、その様子をプレゼンテーション順にご紹介します。(①、②)また、プレゼンテーション後に行われたアドバイザーによるディスカッションにおけるコメントも掲載します。(③)

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アドバイザーによるディスカッション(コメント抜粋)

支援全体を振り返って

岩谷氏
この支援事業を通じて、作品の成長はもちろんのこと、クリエイターの成長を見ることができた。この支援は、作品制作への支援というより、クリエイターの創作活動への支援だということを強く感じた。クリエイターとの定期的な面談を通じ、その個性や制作方法を知ることが出来る上に、その制作過程で予想を超える結果が返って来ることもあり、とても有意義な活動であると思う。今年も素晴らしい作品ばかりで、クリエイターの皆さんも、様々なものを吸収していく時期にあったのだろう。今後の活躍を期待している。

伊藤氏
今までに3回、支援に関わってきて、今日のプレゼンテーションは今までで一番納得のいくものだった。どのような支援を行えば良いのかという課題に関しては、クリエイターだけでなく、アドバイザー側にも試行錯誤があったと思う。文化庁メディア芸術祭は、ようやく一般の人にも浸透し始めた段階に来たと感じる。入選したクリエイターたちのその次の支援というものがようやく実現したのが、本支援事業であり、成果プレゼンテーションで選考された企画を他の人に知ってもらうというのは、ただ展示をするということよりも、ずっと価値があると感じた。このシステムはまだ完成したわけではないが、確実に手応えを感じている。

タナカ氏
今回は展示がなく、成果プレゼンテーションのみだったが、非常にまとまっていて楽しかった。作品全体としては、生命を感じさせるものが多かったように思う。作品のことは、作家にしかわからないので、アドバイザーという立場は難しいと感じ、作家だけでなく、支援の方も育っていく必要を感じた。

三上氏
今回のプレゼンテーションを見て、311以降、地表に存在する事やモノ自体を少し疑ったり、そこからの脱却を試みたりするような作品が多いように感じた。この支援を受けたい人はたくさんいると思う。資金が得られるからこそ、多くのことを試みて、失敗することができる。

左から、三上氏、タナカ氏、伊藤氏、岩谷氏。

クリエイターや事業に対してのアドバイス

三上氏
例えば勝本さんはガジェットでの応募だったが、アートとしても展開することができるように、海外も含めて、メディアアートは科学や芸術などの分野も越えて、ボーダーレスに展開可能である。様々な場所や観客の間口を広げて作品を展開して欲しい。

タナカ氏
作ったものを皆さんに見て頂ける環境があったら良い。今日のプレゼンテーションで見た『ももんくん』の動画など、ネット上で簡易に見ることができたら良いと思う。

伊藤氏
アニメーションの世界では、フランスの支援制度が、非常にバランスがとれていて素晴らしい。世界の良例を参考にしながら、日本も独自の支援のスタイルを作っていくことが必要。メディア芸術を外に向かってアピールしていくためには、作家だけが頑張るのではなく、三上さんがおっしゃったように、アートとしてガジェットをみるという提案を行ったり、映画祭等の情報を提供し、出品料を支援したりするなど、もう一層深い支援が必要だ。

岩谷氏
支援した作品を、多くの人に知ってもらう手段が必要。芸術作品が、すぐに消費されてしまい、残って行かない現状がある。学術的な研究や、学生のために、デジタルデータとしてウェブ上にアーカイブとして残して行き、何十年先でも見ることができるようにすることも重要だ。

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成果プレゼンテーション報告① – クリエイターによるプレゼンテーション(前半)
成果プレゼンテーション報告② – クリエイターによるプレゼンテーション(後半)

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